元麻布の集合住宅 
ワンルームの可能性に挑戦

東京・港区元麻布に建つ、2階と3階に一戸ずつ、たった2戸の小さな集合住宅です。一戸の面積は約60㎡。壁をつくらずその面積をめいっぱい活用することが、このプロジェクトの肝と考えました。そこで床と天井にゆるやかな段差を設け、空間はひとつながりでありながら四つの領域に分けられるようにしました。これは四隅に立ち上げた柱と、その対角線上に設けた各階スラブの段差によって生まれたもの。パースの聞いた独特のスケール感をつくり出せて、ワンルームという空間の新たな可能性を見いだせたと感じています。 Design:2011.01-2011.09 Construction period:2011.10-2012.06 敷地面積:100.00㎡ 建築面積:59.56㎡ 構造:RC造 階数:地上3階 写真:Shigeo Ogawa Publications:2013.02 新建築 洋書:2013.07 C3(KOREA)

ベストパーツ本社屋兼物流倉庫 
自然エネルギーを利用した、空気のきれいなオフィス

仙台市宮城野区に建つ、建築部材を扱うオフィス兼物流倉庫です。光・温熱環境への意識の高まりが感じられるなか、身近な自然エネルギーを活かすため、地下水位の高いこの土地柄を反映して、地中熱の採熱による輻射式冷暖房を採用しました。外壁は断熱材を裏打ちした鋼板サンドイッチパネルを採用、屋根は二重折板を使用することで断熱性能を高めて輻射式冷暖房の効率を良くしています。また、頂部にハイサイドライトを設けて自然換気をとり、倉庫部分を含めた室内全体において重力換気による空気の対流を図っています。モノクロームでシンプルな外観とは対照的に、内部は快適で豊かなオフィス空間が生まれています。 Design:2011.08-2012.07 Construction period:2012.08-2013.03 敷地面積:2,288.69㎡ 建築面積:1,353.16㎡ 構造:鉄骨造 階数:地上2階 写真:Shigeo Ogawa

鶴見のアトリエ・住居 
借景をインテリアに取り込んだ大開口のある住まい

自宅であると同時に、ここにアトリエも併設しています。高台にあり桜並木や近隣の木々に囲まれているという条件を積極的に取り込みながらも、人や車の行き交いを気にすることなく豊かな暮らしを実現させるために、開口部の位置やサイズ、光の採り入れ方などを熟考しました。RC造でありながら、スギ板を型枠にすることで、石積みのようなやわらかな表情が生まれています。ハッキリした骨格と大きな開放感を併せ持った空間です。 Construction period: 1998.10-1999.12 敷地面積: 281.34㎡ 建築面積: 84.61㎡ 構造: RC造 階数: 地下1階 地上3階 写真: Koichi Torimura Publications: 2000.08 新建築 2000.10 建築知識 2001.04 CONFORT 2004.07 MODERN LIVING 2004.11 メイプル 2005.08 婦人画報 2005.11 室内 kitchen book 2006.12 別冊 MODERN LIVING 55人の建築家リビング 2013.11 住まいの設計 2016.12 日経回廊8 洋書: Japan Living [TUTTLE](USA)

妙蓮寺の家 
住まいが街並みの一部となる

閑静な住宅街の角地に建つ二世帯住宅です。ひし形の敷地になじむよう、建物をくの字に配置しています。玄関から奥に進むほど、プライバシーが高くなるプランニングです。フロアごとの特徴ももたせました。1階は庭とのつながりを感じられるように水平方向の拡がりを強調しているのに対して、2階は天井を高く取ったことで大きな開放感と明るさを生んでいます。また、前面道路は交通量は少ないものの交差点に面していることを考慮し、庭にはさまざまなグリーンを植栽。プライバシーを確保しながら、庭を介して住まいと街が一体となるような建築を目指しました。家族が住み続けるなかで、窓の外が森のように緑いっぱいになることを願っています。 Design:2014.03-2014.08 Construction period:2014.09-2015.03 敷地面積:195.12㎡ 建築面積:84.70㎡ 構造:木造 階数:地上2階 写真:Shigeo Ogawa Publications:2018.5 住まいの設計 2020.10 住まいの設計

杉並の家 
アートとともに暮らす家

建て主夫妻は現代アートの熱心なコレクター。そのため、あらゆる場所にアートを飾れるように設計した、ギャラリーのような住宅です。特に気を配ったのは、コレクションを楽しめるよう、壁と窓をどこにどう配置するかです。将来、インテリアを変更する必要が生じた際にも柔軟に対応できるよう、スケルトン・インフィル型の住宅にしました。そのため、鉄骨ラーメン構造を採用しています。亜鉛メッキされたシルバー色の柱と梁が経年変化するにつれて庭の植栽となじんでいくことで、さらに大きな拡がりが生まれることでしょう。 Design:2014.04-2015.01 Construction period:2015.02-2015.10 敷地面積:328.70㎡ 建築面積:147.88㎡ 構造:鉄骨造+木造 階数:地上2階 写真:Shigeo Ogawa

等々力の家 
大開口が可能な軸組木造住宅

東京・世田谷区に建つ、エステサロン併用の住宅です。近隣一帯が開発造成によって細分化して切り売りされたものの一区画ではありますが、等々力渓谷がそばという自然豊かな土地であり、東側には神社の緑、南西に多摩川の河川敷が一望できる恵まれたロケーションです。この環境をいかすべく、開放的な空間づくりを行いました。3階建ての内部は、手を伸ばせばすぐに壁に届くくらいの距離感です。圧迫感を軽減させるため、小断面の部材を主構造に用いて、親密感のあるヒューマンスケールとなるよう設計しました。軸組木造住宅にすることで大開口部を設けることが可能になり、窓越しの豊かな借景が家を取り囲んでくれています。 Design: 2015.07-2016.06 Construction period: 2016.06-2017.03 敷地面積: 119.99㎡ 建築面積: 47.51㎡ 構造: RC造+木造 階数: 地上2階+地下1階 写真: Shigeo Ogawa Publications: 2017.07 ディテールNo.213

旭町の家 
廊下のないバリアフリー対応型住宅

建物の中心に茶室をしつらえた、バリアフリー対応型の住宅です。茶室に加えてオープンキッチンとダイニング、リビングといった空間ごとに天井の高さを変えてリズムをつけ、大きな屋根がそれらを受けとめています。この家には廊下というものが存在しません。どこにいても家族の気配を感じながらも、プライバシーはきちんと確保すべくプランニングしました。ファサードの大開口部からは日が差し込み、焦げ茶色でまとめた落ち着きのあるインテリアと呼応しあいます。 Design: 2017.04-2018.04 Construction period: 2018.05-2019.05 敷地面積: 302.54㎡ 建築面積: 149.04㎡ 構造: RC造 階数: 地上2階 写真: Shigeo Ogawa

新子安の集合住宅 
生活機能を外部につなげる集合住宅

神奈川県・新子安駅の駅前にある、1階が店舗で2階~4階が集合住宅の建物です。人通りの多い通りの角地という敷地条件のもと、壁式コンクリート構造の壁の厚みを変化させることで、建物の構造の強さを直感的に伝えつつ街に新しい表情を付加することを試みています。駅前でコンビニ、食堂、銭湯などがあり、外部に生活機能を委ねることも可能なため、浴室をユニットシャワーとし、テラスを設けず脱衣室に物干しスペースと乾燥機を設置。そのぶん居室の面積を確保しました。低層住宅の密集する地域で、階が上がるごとに視界が開けることを活かして、上の階に行くほど開口を大きく取っています。 Design: 2019.04-2020.04 Construction period: 2020.05-2021.01 敷地面積: 123.83㎡ 建築面積: 102.51㎡ 構造: RC造 階数: 地上4階 写真: Shigeo Ogawa

関口の家(リノベーション) 
鉄筋コンクリート造のフルリノベーション

鉄筋コンクリート造の建築で、もともとは二世帯住宅だったところを単世帯住宅にフルリノベーションしたプロジェクト。中庭を中心に建物全体を周遊できるプランニングです。クライアントからの希望を受けて大理石調のタイルを多用し、ラグジュアリーな空間を創出しています。既存のコンクリートの床を抜いてホームエレベーターを設置、部屋数を増やすためにコンクリートの壁も抜いて部屋の入り口を設けるなど、大がかりなリノベーションを行っています。来客が多いことからゲスト用のキッチンや接客用のバーカウンターも新設しました。 Design: 2023.05-2023.08 Construction period: 2023.09-2024.01 敷地面積: 585.75㎡ 建築面積: 347.54㎡ 構造: RC造 階数: 地上2階 写真: Naoki Terakawa

若葉の家 
豊かな自然とつながる半屋外空間

緑に囲まれた環境で、日常生活でもアウトドアを楽しみたいという建て主の希望をかたちにした住宅です。低い軒と緩やかな屋根が、外部からの視線は遮りながらも室内と庭をつなげています。また、テラスとアトリエという半外部空間が仲介することで、住まいと豊かな自然が一体化することに一役買っています。周辺の高木が日光を遮ってしまうのですが、上階のハイサイドライトや吹き抜けを設けることで光を室内に取り込むと同時に、そこからも木々や青空が眺められ、どこにいても自然を感じられる空間になっています。 Design: 2020.08-2021.03 Construction period: 2021.04-2022.01 敷地面積: 1005.66㎡ 建築面積: 155.00㎡ 構造: RC造(屋根木造) 階数: 地上2階 写真: Shigeo Ogawa Publications: 2024.02 新建築住宅特集